自分で健康になる方法(小林健康整体室)

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医師、看護師、薬剤師も診ている整体師が、栄養、心の悩みなど解決法をご紹介します

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【ホントに⁉】お粥、うどんは消化に良い⁉

注意

【注意】
たまに「個人差」を考慮せず「私は〇を食べても平気だった」と言う方がいますが、これは非常に危険です。
実際の個人差を考えると次のようになることを忘れてはいけません。

①Aさんは小麦製品、砂糖で不調が生じたが米類では生じなかった。Bさんは逆に米類で不調が生じたが小麦製品、砂糖は問題なかった。(これがよく言う個人差)
②Aさんはいくら小麦製品、砂糖をとっても不調は生じなかった(実際体内で何が起こっているか無自覚のケースも多いので要注意)が、Bさんは少量の小麦製品、砂糖で不調が生じた。(これも個人差として忘れてはいけない)
③Aさんは今まで小麦製品で不調が生じなかったが、ある時から不調が生じるようになった。(人間の体は日々変化する。子供のころは問題が表面化しなくても成人後や老後に表面化するケースも非常に多い)

もう一点、次も非常に重要です。
「〇という健康食品を食べているから大丈夫です」と言いながら、自分の肉体に表れている不調が回復していない。
これは、少なくとも今やっていること(食事内容、栄養、運動、生活習慣など多方面)が当人に合っていないことの表れと言えましょう。

結局のところ、
①疑わしきを避け、不足している栄養を増量し、自分の体に聞く(これが重要)
②自分で試行錯誤をしてみる

ことが大切だということです。

風邪やお腹の不調にはお粥とうどん?

よく「風邪をひいた時やお腹の調子が悪い時は、消化に良いお粥やうどんを食べると良い」というようです。
柔らかく調理したお粥やモチモチとしたうどんだからこそ、「消化に良い」と連想するのかもしれません。
現役の医療従事者ですらお勧めするくらいです。

が、実はお粥やうどんは消化に良いとは言えません。

お粥やうどんは糖質がたっぷりです。
この糖質が、実は胃にとって負担になるのです。
その理由をご紹介します。

腹持ちがいい→消化しにくい

詳しい説明の前に、まずは軽く実生活での「実感」を考えてみましょう。

よく「腹持ちが良い食べ物」というと、おにぎりやパスタ(麺類)などを思い浮かべるでしょう。
これは要するに「おにぎりやパスタ(麺類)は消化しにくい→胃に長く残る→腹持ちが良い」ということです。
逆に、玉子、肉類、魚介類「だけ」を食べてみると、意外と早くお腹が空いてくるのがわかります。(実際にやってみると実感します)
これはいうなれば「玉子、肉類、魚介類(タンパク質が豊富なもの)は早く消化する→すぐお腹が減る」というわけです。

もちろん「タンパク質、脂質から得られるATP(最大129)は、糖質から得られるATP(なんと2しか作られない)より多い」ということがあります。
そのため、糖質を使ってATPを作る回路(嫌気性回路)より、タンパク質、脂質でATPを作る回路(好気性解糖、つまりTCA回路+電子伝達系)がしっかり働いている人の場合、玉子、肉類、魚介類で多くのエネルギーが作られて体力が長時間もつ、ということが起こります。

今回は一般的な、バランスの良い食事(というアンバランスな食事。つまり糖質を約60%も摂っていて、嫌気性解糖が優位な大多数の人)をしている人が体調不良の時を考えての記事です。

【ポイント】
おにぎりやパスタ(麺類)は消化しにくい→胃に長く残る→腹持ちが良い

参考画像

【画像】エネルギー代謝の高い体を作るカギ「ATP」を解説|サプリメントの正しい摂り方もチェック | 8760 by postseven

糖反射(とうはんしゃ)

あまり聞きなれない言葉ですが、「糖反射(とうはんしゃ)」という現象があります。
これは簡単に言うと「糖質が胃に入ると、胃の動きが一時的にストップする(あるいは動きが弱くなる)」ということです。

普通は胃に食べ物が入ると攪拌(かくはん。混ぜたり細かくしたり移したりする)や消化のために動きます。

しかし、こと糖質に関しては、胃は「糖反射」で逆に約5分ほど動きが止まって(あるいは動きが弱くなって)しまうことがわかっています。

順天堂大学総長、故・有山登先生の糖反射の研究

順天堂大学総長、故・有山登先生の糖反射の研究を水野医師(アキバ水野クリニック)がブログで次のように紹介して言います。

(引用。強調部分は引用者)
【糖が胃の中に入ると胃の活動が停止したりまた微弱になる】
(1)糖反射を起こす分量は、胃腸の浸透圧と同じ濃度(5.4%)以上の糖液で15cc以上の時である。
(2)20%ブドー糖液で一分間に5ccずつ、三分間与えて糖反射を起こさせた場合、胃のぜん動が微弱になった時間をはかると
敏感者 約7~10数分(その間5分間は全く停止)
中等度 約5分間
鈍感者 約3分間
この間は胃の正常な活動が妨げられることになる。
(3)濃い糖液は胃腸内で消化できるまでに薄められるのに一時間以上かかる。
(ここまで)

(参考)消化に良いもの(水野医師のブログ)
https://mizunodoc.jp/archives/159

故・有山登先生の研究はこちら
(引用)
「然るに数百gの糖を造影剤に混じて飲ませると運動は直ちに微弱となり,運動毎に胃内容を排出する力を失うばかりでなく,運動の時間的間隔が延長し,遂には数分乃至十数分間に亘つて全く運動を停止するに至り,爲に排出完了に3時間,4時間,またはそれ以上の時間を要することも稀れでない.即ち糖攝取によりいないようの排出は強く抑制される.」
(ここまで)

(参考)
基礎と臨牀 2巻3号,1948年、糖攝取時の胃の運動「糖反射」に就いて 有山登 p94

基礎と臨牀 2(3) | NDLサーチ | 国立国会図書館

 

「排泄の科学」の【「砂糖」に付いて】

また、「排泄の科学」の【「砂糖」に付いて】でも次のように紹介されています。
少々長いですが、是非読んでみてください。

(一部引用。強調部分は引用者)
砂糖でなぜ害が出るのでしょうか

東大で実証された「糖反射」の実験が有ります。
被験者に砂糖水を飲ませますと、数十秒間、胃腸の働きはピタリと止ります。
反対に塩水を飲ませますと、胃腸の働きは急に活発化します。
この糖分を摂ると、細胞の働きが緩慢になる生体反応を東大では、糖反射と名付けました。
なぜこの様な事が起こるかが確定されている訳ではありませんが、多すぎる糖分は、細胞を取囲むと、絶縁物質となり、神経信号の伝達を阻害していると考えられています。
専売塩のイオン交換による化学塩が、純粋すぎるがゆえに生体にとって害が出現する様に、砂糖という純粋物質も生体は過剰な負担を受けるのです。 

弱い部分の血液が停滞し、お血(酸化して停滞している赤黒い血)が溜まる。
更に、砂糖や果物に含まれる糖分は、カリウムの働きもプラスされて、静脈が弛緩すると共に、血液粘度を上昇させます。
これは非常に困った事を引き起こします。
その人の弱っていて、血の流れの悪い所が更に、血の流れが悪くなり、停滞するのです。
そして、その組織や静脈に老廃物が蓄積し、ある許容量を越えると病気として発症するわけです。
酸素と栄養が充分に届かなくなるからです。
しかも毒素は皮膚に現れるとシミとなったりしますが、吐く息が臭くなります。
息の臭い老人には成りたくないものですね。
また、病気と言わないまでも、甘い物を食べていると、肩が凝ったり、目が疲れやすくなったり、生理痛が生ずる様になります。
一切の砂糖を断ち、自然海塩を使った醤油・味噌・梅干などを中心に塩分を補給していきますと、信じられないくらいスタミナが付くと共に、倦怠感とはおさらばし、肩凝り・便秘など全然、縁の無い体になります。
生理痛の原因は第一に甘い物です。
生理予定日の二週間前から、一切の甘い物を断ちますと、生理痛は全く無くなります。
便秘に「繊維」と頑張って生野菜を沢山食べても、甘い物を食べ、塩分が不足していたら、本質的な解決にはなりません。
生野菜の過食は貧血を生じます。
更に酢っぱいドレッシングなどをかけて食べるのは最悪です。
充分な血液によって腸は活性化するのですから、貧血では腸は充分に働けなくて動きが止るのです。
(ここまで)

「砂糖」に付いて 「排泄の科学」より

「胃に食べ物が入ったらすぐに消化が始まる」というと、そうでもないことがわかります。

【ポイント】
胃に糖質が入ると「糖反射」で動きが止まって(あるいは動きが弱くなって)しまう。

 

タンパク質の消化酵素は出るのに・・・

もう一点、消化酵素についても紹介します。

胃にタンパク質が入ると、ペプシノゲンというタンパク質(糖質ではないことに注意!)を消化する酵素が出ます。
しかし胃に炭水化物(糖質+食物繊維)が入っても消化酵素は分泌されず、糖質は残ってしまいます。
(炭水化物は胃の中で攪拌(かくはん。混ぜたり細かくしたり移したりする)されます)

これも「お粥やうどんは消化に良い」という常識を覆すものですね。

【ポイント】
胃で出る消化酵素は、糖質でなくタンパク質を消化するためのもの。
(糖質は胃で攪拌するだけ)

内視鏡画像、糖質は消化されず残っている

では実際の胃の中ではどうなっているのでしょうか。
食後、胃の中には糖質(コメなど)が消化されず長時間残っています。

例えば以下のリンクにある「みらい胃・大腸内視鏡クリニック」では、寿司を食べた後の内視鏡画像で、ネタの魚(タンパク質)は全て消化され、シャリ(糖質)が残っている画像が紹介されています。
同様の画像を夏井睦先生(なついキズとやけどのクリニック)も紹介しています。

【参考にしたサイト】
https://www.endoscopyclinic-urawa.com/blog/5275/
http://www.wound-treatment.jp/new_2014-08.htm#0806-06:00-6

【ポイント】
内視鏡画像でも、胃の中に糖質が長時間残っている。

逆流性食道炎の懸念

今現在、逆流性食道炎でお悩みの方は次を知っておきましょう。

【注意!】
糖質は胃の中に入る→糖反射で胃の動きが止まる→胃の中に糖質が居座る→胃酸遺産が出続ける→これがひどいと逆流性食道炎

「おなかの調子が悪いからお粥にしよう」と思わず、是非とも後述の【胃腸が不調の時にお勧めの食べ物】をご参照ください。

糖質たっぷりは危険

更に次を覚えておきましょう。

お粥やうどんなどを食べると高血糖になります。
そうすると、ウイルスや細菌を食べてくれる好中球という白血球の働きが悪くなります。
つまり免疫力が下がることになり、風邪が治りにくくなるわけです。

また、高血糖状態は血液がドロドロで、酸素や免疫物質、栄養素などを送りにくくなってしまいます。

調子の悪い時ほど、糖質の摂取に要注意というわけです。

【ポイント】
お粥やうどんを食べて高血糖になると免疫力が下がり、血液ドロドロで酸素や免疫物質、栄養素を送りにくくなってしまう。

高血糖については以下の記事をご参照ください。

お粥やうどんは消化に悪い

これまで見てきたように、お粥やうどんは消化しにくく、胃に負担がかかっていることがわかります。
「お粥やうどんは消化に良い」や「風邪や胃腸のが不調の時はお粥やうどんを食べるのが良い」というのは、実際にはそうでもないといえましょう。

この「お粥やうどんは消化に良い」は現役の医療従事者ですら根深く持っているようで、非常に安易に勧めている場合が散見しますので、要注意ではないでしょうか。

風邪や胃腸が不調の時に何を食べる?

では実際に風邪をひいたり胃腸が不調の場合、胸やけがする時などは何を食べたらよいのでしょうか?
おすすめはやはり消化に良い「玉子、肉、魚介類」(チーズも)です。

【胃腸が不調の時にお勧めの食べ物】
・温泉卵、茶わん蒸し、卵スープ
・汁物、玉子入りのお味噌汁、湯豆腐
・お粥が食べたいなら、せめて玉子粥にする(私も普段はこれをお勧めしています。一般人は好気性解糖がうまく働いていない人が多い為)

これらは水分と同時にミネラル、タンパク質が一度に摂れ、しかも食べやすいです。

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まとめ

ではまとめです。

【まとめ】
・おにぎりやパスタ(麺類)は消化しにくい→胃に長く残る→腹持ちが良い
・胃に糖質が入ると「糖反射」で動きが止まってしまう。

・胃で出る消化酵素は、糖質でなくタンパク質を消化するためのもの。
(糖質は胃で攪拌するだけ)
・お粥やうどんを食べて高血糖になると免疫力が下がり、血液ドロドロで酸素や免疫物質、栄養素を送りにくくなってしまう。

【注意!】
糖質は胃の中に入る→糖反射で胃の動きが止まる→しかし胃の中に糖質が居座る→胃酸遺産が出続ける→これがひどいと逆流性食道炎

【胃腸が不調の時にお勧めの食べ物】
・温泉卵、茶わん蒸し、卵スープ
・汁物、玉子入りのお味噌汁、湯豆腐
・お粥が食べたいなら、せめて玉子粥にする(私も普段はこれをお勧めしています。一般人は好気性解糖がうまく働いていない人が多い為)


繰り返しますが、「お粥やうどんは消化に良い」は非常に根深く、胃腸が不調の時にただのお粥や素うどんを食べる方が非常に多いように見えます。
ぜひとも今回の記事をご参考に、上手に栄養を摂っていただきたいと思います。

ご閲覧ありがとうございました。

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【参考文献】
川徳美『メガビタミン健康法』方丈社
三石巌『医者いらず、老いしらず』祥伝社黄金文庫
江部康二『内臓脂肪がストンと落ちる食事術』ダイヤモンド社
など